若さの問題を解放したので、出産の問題を取り扱う必要が出てきました。呪術師から。
ラ・ゴルダの元を訪れたカスタネダとの会話。
ナワールがすべての計画を明かせなかったのは、あなたがまだ不完全だったからなのよ。完璧な人間というのは、子どもをもったことのない人のこと。不完全な人間というのは子どもをもったことのある人。これはナワールの言ったとおりの言い方よ。
不完全な人間はお腹に穴があいているの。呪術師にはそれがはっきり見えるのよ。お腹の左側に穴がある場合は、その穴を作った子どもは同性、右側にあれば異性なの。左側の穴は黒で、右側の穴はこげ茶色よ。呪術師なら、夢見の中でそれを見るか、直接その人を眺めるか、ね。
もうひとつあったけど、塞いであるわ。ナワールが手伝って塞いだのよ。彼の助けがなかったら、今ごろはもっとからっぽだったわ。
「どうやってつぎ当てをしたんだい?」
彼は呪術師よ。いろいろなものをわたしたちのからだのなかに入れることができるし、わたしたちを交換することだってできるわ。わたしたちがいつまでたっても同じ、ということはないのよ。わたしたちのからだに入れたものは彼自身の輝くものよ。ただからだのなかに手を伸ばして、自分の繊維をそこに置いたの。
「完璧な人っていうのは、呪術師にはどんなふうに見えるの?」
繊維でできた輝く卵に見えるわ。すべての繊維が完璧で、それは糸、ぴんと張りつめた糸のように見えるわ、太鼓の皮がぴんと張られているように見えるの。でも、からっぽな人の場合はね、穴の端のところで繊維がもみくちゃになっているのよ。子どもをたくさんもってしまうと、繊維はもう繊維に見えなくなるわ。そういう人は、黒い影に分けられた、二枚の輝く厚切りみたいね。
人間って、一度不完全になると、くり抜かれたひょうたんみたいにからっぽになってしまうのよ。彼が、おまえはからっぽだ、と何回言おうと関係ないし、説明することさえ無意味なの。彼の言ってることがぜったいにわからないし、あるいはもっと悪いことには、わかりたいとも思わなかったんですもの。
テーマ「親バカ」(イーシュヴァラ意志体)
本来、その人の覚醒に必要な意志(気づき)が、子どもを作ることで取られてしまう。子どもを大事に育てるためのやむを得ない過渡期的なシステム。エネルギーを取られると一種の痴呆状態になるので、お腹の穴をふさぐ必要がある。