カスタネダの呪術師シリーズの中には「集合点」という概念があり、それは、すべての生命体が持つ知覚を発生させる器官、知覚を構成する構造体を指します。そして、集合点は身体の中のエネルギーと外の世界のエネルギー繊維を同調させることで「認識」を得ます。
これはニルヴァーナ体に存在し、ニルヴァーナ体の内側へ移動すると次元上昇、外側へ移動すると次元下降します。
ヌース理論でいう「位置」とはモノではなく「意識」の位置を表す概念を意味する。
「君は一体どこからモノを見ているのか?」
ヌース理論からの回答は実に単純なものだ。それは視野空間から、と答えればいい。しかし、ここでいう視野空間とは肉眼に穿たれた瞳孔のことを指しているわけでは決してない。水晶体のことでもない。もちろん、角膜のことでもない。頭部は忘れろ。そういった物質的な表象として想像されるものではなく、純粋に視野上に現れている空間のことだ。つまり、通常の認識では三次元空間と見なされている場所そのもののことである。そこにはいつも言うように奥行きは一点で同一視されているので、無限遠(大)がへばりついているとも言っていいことになる。これが「顕在化」における最初の位置のことである。
我々の持つ分離感というのは、位置の分離そのもの。執着は位置が外側に移動している状態(次元が低い)で、悟りは自分の中心に位置が戻っている(次元が高い)と言っても差し支えない。